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日本初のデジタル32トラック・マルチ・レコーディング。 [音楽]

朝日新聞をお読みの方はもうご覧になったかもしれません。

今朝 土曜日版の副読版「be on Saturday」・・・

タイトル : 「名器」が奏でた感受性
(ここでの「名器」とは、録音スタジオを指しています)

東京 田町駅近くにあった 「Studio A」のことです。 
記事自体は、このスタジオのことを絡め、「荒井由美」のことが書かれているのですが、実はこのレコーディングスタジオ 私の音楽人生(ちょっと大げさ!?)にも多大な影響を受けているんです。

このスタジオが、1972年にできたのは知りませんでした。 
設立当時の話も初めて読む内容で、とても興味深く、当時を思い出しました。 私がこのスタジオのことを身近に感じたのは、1977年頃からかな・・・

・・・というのも、実は高校・大学が、このスタジオの真ん前だったのです・・・ (というと、わかる方にはばれてしまいますね・・・)


新聞記事(2009年4月25日 朝日新聞「be on Saturday」から抜粋すると・・・

「・・・作曲家・プロデューサーの村井邦彦さんが建設したスタジオだった。 (中略) 村井さんが音楽関係者に出した挨拶状によれば、この録音スタジオはこれまでの日本にない「音楽の宝石箱」だった。 宣伝文では、「現代のストラディヴァリウス」とまで誇らしげに形容した。 音楽家が演奏しながら快感を覚え、スタジオも「名器」のように歓喜で最高の音色を奏で出すという意味で、音楽家の感性を最優先する思想で設計されていた
 スタジオの録音エンジニアだった吉沢典夫さんは、「村井さんは『ぼくたちの音楽をやるには、スタジオも自前でつくらなければ』と言い、一緒にロスに飛んだ。 帰りの飛行機には建築家や音響機器のコーディネーターを乗せていた。 世界最新の機材類を集め、湯水のようにカネも使った」・・・と。

私がすぐ目の前の高校に通っていた頃、このスタジオのことは、「スタジオ アルファ」と呼んでいて、なぜそこまでこのスタジオに入れ込んでいたかというと、実は今でも熱烈なファンである「CASIOPEA」の初期ホームスタジオだったのです

また、昔のLPを引っ張り出してきました。

第二期CASIOPEAの名盤(これはいまだに彼らの最高傑作だと私は思っています)、「MAKE UP CITY」。

casiopea_make_up_city_1.jpgcasiopea_make_up_city_3.jpg

casiopea_make_up_city_2.jpg


 

 

 

 

LPジャケットには、誇らしげに「デジタル録音 我が国初の 32トラック・マルチ・レコーディング」とのステッカーが貼られています。
ライナーノーツにも、裏面一面を使って、デジタルレコーディングのうんちく、そして、「3Mデジタル・マスタリング・システムを日本で初めて購入し設置したのが、東京田町駅近くのアルファ・レコードのスタジオAなのです。 その第一回レコーディング・アーティストに選ばれたCASIOPEAのレコーディングでは・・・

実は私がCASIOPEAの熱烈なファンになったのは、それをさかのぼること数年前、まだデビュー前の第一期(と言うか、創世記)CASIOPEAが、YAMAHAEast Westというアマチュアバンドの登竜門であるコンテストに出場し、グランプリを取ったステージをたまたまテレビで見たのです。 
これが衝撃的でした。
 
まずなんと言っても、当時ボーカルが当然のように入っていた頃に、ボーカル無しの4人編成のインストバンドだったこと。 
そして更に、演奏開始前に、4人全員でタイミングを合わせるこの何とも言えない緊張感・スリルがかっこよかったこと。 
これは特に、PIT INNに通うようになって、曲直前のメンバー同士のタイミング合わせがもうあまりにもかっこよくて、そこまでコピーしまくりました。 その上、演奏曲がこれまたかっこよかったこと。
その時の審査員のひとりが、日本を代表するチョッパーベースの鳴瀬義博で、後にCASIOPEAの正式メンバーになることも、奇遇です。

ちなみにこのときのもう一つの優秀バンドが、サザンだったのです。

これをきっかけに、六本木PIt INNで、デビュー直前の演奏を聴くようになり、もうぞっこんになってしまいました。

それからは、CASIOPEAのコピーを始めるようになり、今日に至ります・・・ 
だから、愛用のギターも、彼らと同じ「YAMAHA SG-2000」が欲しくて、バイトをして買ったのでした。
SGつながりで、当然のように高中正義もコピーを始め、コンサートにも通うようになります。 SGつながりでは、ちょっと渋めの「増尾好秋」、「サンタナ」等々もコピーしていました。

そのCASIOPEAのレコーディングスタジオが、高校・大学のすぐ隣にあったのです。

そのスタジオで、荒井由美(後の松任谷由実)もレコーディングしていたんですね・・・ 

・・・そんな、「Studio A」の思い出を書いてみました。


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コメント 10

のろ

東京に転勤していた頃に、最寄り駅だったのが田町でした。名前はあまり覚えてませんが、高校と、大学があったなぁと思いました(^_^;)。
その近辺にスタジオがあったのですね~。もしかしたら、その前を通り過ぎたりしていたかもしれません。
by のろ (2009-04-26 08:20) 

hidechan

のろさん、ありがとうございます。
・・・そうでしたか。 東京でお仕事をされていた時期があったのですね。
きっと、高校と大学があったなぁ とのろさんの頭に浮かんだそれが私の母校だと思います・・・
よく、「大学はどちらですか?」と聞かれることがありました。 そんなときは、「三田なんですよ」と答えていました・・・。 (これはウソではないんですね。 JRなら田町駅、都営三田線(地下鉄)なら三田駅になります。)
「三田の大学」と言えばなんと言ってもKO義塾大学・・・ 田町は・・・というと、残念ながらあまり名前が出てこない。 だから、私は「三田の大学に通っています」と答えていました・・・
このスタジオは、運河沿いに建っていました。 1階は喫茶店でした。
by hidechan (2009-04-26 17:16) 

きゅんぱち

MAKE UP CITY…。
ワタクシも、傑作だと思います。
by きゅんぱち (2009-04-27 00:04) 

大将

21世紀になって色んなものが加速しながら進歩しているようですね
CDの出現でオーディオをすっぱりやめましたが
アーティストもデジタル化でかなり戸惑った方もいるようで
それでも色んなものが良くはなっているんですね
by 大将 (2009-04-27 12:40) 

井上酒店

僕も音楽をやっていた関係で、色々なスタジオでレコーディングさせて頂きました。スタジオAの事は知りませんでしたが、僕も機材が好きで、サンレコを今でも5年分ぐらい所有しています・・・もっとあるかな?あこがれのスタジオの記事が載っているとテンション上がりますよね。しかし、今は僕がレコーディングしていた頃とは随分変わったと思いますね。今はProToolsが主流になってますからね。僕らの時は丁度過渡期で、オープンリールとデジタルの狭間でしたね。でもなんか懐かしいですね。やっぱり音楽って楽しいですね。
by 井上酒店 (2009-05-02 23:52) 

hidechan

きゅんぱちさん、ありがとうございます。
そうおっしゃっていただくと、うれしいです。 
ちなみに松岡直也では、私は「SON」と「MAJORCA」が最高傑作のアルバムだと思っています。 特に「SON」は、ラテンパーカッション本場の大御所との競演で、否が応でも松岡直也のピアノが熱くなります。 どちらも初期WESINGメンバーで、「SON」はさらに和田アキラが加わり、松岡直也が目指す「ラテンとロックの融合」が開花した最高のアルバムだと思います。
by hidechan (2009-05-03 09:27) 

hidechan

大将さん、ありがとうございます。
そうですね、CDが出始めたときは世の中が賛否両論でしたね。 でも、やっぱりハンドリングのしやすさで普及するスピードは本当に速かった。 
強制的に音域の上下をカットして作ったCDには、ミュージシャン側からも反発が多かった。 でも、デジタル化したデータは、そのあとの加工が本当にしやすい。 これは今や主流のデジカメにも当てはまりますね。 
デジタル化が一通り落ち着いてから、今度はまた「音」の質に光りが当たり、SACD規格ができあがったり、写真でも「RAW」データの活用が話題になってきたり・・・ 
そしてまた、レコード、球アンプがブーム・・・ 長い目で見ていると、おもしろいですね。
by hidechan (2009-05-03 09:35) 

hidechan

井上酒店さん、ありがとうございます。
そうでしたか・・・ 私もSound & Recordingは、結構捨てられなくてとってあります。
ライブPAのセッティングとか、ライブハウスの機材とか、なかなか見られないところが掲載されるのでとても参考になります。
・・・そのようですね。 どこのスタジオの記事でも、主流はProToolのようですね。 ミキシング卓でも音の違いがあるようで、ミキシング卓でそのスタジオやライブの方向性が見えてくる・・・ デジタルの時代だから、そんな「微妙な」違いは淘汰されてしまいそうですが、そうじゃないところがまたおもしろいです。 ミュージシャンそれぞれの「こだわり」も参考になります。

by hidechan (2009-05-03 15:27) 

hidechan

tubomiさん、ご訪問&niceありがとうございます。
相も変わらず、自分の好き勝手なことを書いています・・・
by hidechan (2009-05-03 21:42) 

hidechan

たかれろさん、ありがとうございます。
自分が本当に好きなことは、いくらでもすらすらと講釈を並べられます・・・
by hidechan (2009-05-03 21:44) 

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