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山崎豊子 著 「沈まぬ太陽」 [本]

今まさにロードショー公開されている邦画 『沈まぬ太陽』・・・

私は、山崎豊子さんの小説は、「白い巨塔」しか読んだことがありませんでした。

今回『沈まぬ太陽』の主人公役が、渡辺 謙 なのですが、公開初日の舞台挨拶の場面を、本当にたまたまテレビで、渡辺 謙が、男泣きに泣いている場面を見たのです。

その映像がなぜか頭に焼き付き、遅ればせながら、『沈まぬ太陽』を手にすることにしたのです。
文庫本で全5冊。(とりあえず3冊目まで購入しました)
PB190085.jpg


これは、当時(1961年頃)からのJ○Lの社風、労組 等々の現実を「小説風」に書かれたもので、その後、1985年8月の、あの御巣鷹山に日航123便が墜落した大惨事、その後の社内風土までのノンフィクション(? ではないのですが、事実取材に基づいて書かれています)の社会小説です。

御巣鷹山の惨事、その時の修羅場は、古い本ですが(1998年初版 講談社)ノンフィクションで発刊当時に読んで、ある程度は理解していました。
また、航空機事故に関しては、柳田邦男も当時よく読んでいたので、事故が起こった背景についても、これもある程度は理解できていました。

PB200080.jpg

で、今回、『沈まぬ太陽」を読み始め、安全管理・職場環境を少しでも改善しようとする主人公が、労組委員長である というだけで悪のレッテルを貼られ、悲惨な僻地左遷人事を受けながらも、屈することなく初心貫徹 という、もう読んでいて苦しい 何でそこまで会社のために、組合員のために自分を犠牲にして、家族を犠牲にしてまでやり抜くのか・・・ 

今ようやく、2冊目を読み終え、カラチ、ナイロビ、テヘラン、ケニア・・・ 当時はJ○L路線も飛んでいないような僻地勤務をたらい回しにさせられ、ようやく2冊目の終わりで、東京本社へ戻ることになった・・・ ここまで読むのに、なんと苦しかったか・・・
もういいよ、何でそこまで・・・ 2冊目の終わりでは、思わず涙が流れてしまいました。

そして今3冊目を読み始めました。
この3冊目が、御巣鷹山の大惨事へと繫がるのです・・・

全5冊・・・ この小説は、本当に読むのにパワーが必要です・・・

果たしてどんな展開であの大惨事に繫がったのか・・・

まだまだ読み切るのには時間がかりそうです。


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コメント 13

のろ

hidechanさん、こんばんは。
読む方にも、パワーが必要な本みたいですけど、大丈夫でしょうか~・・・?
私は、この辺りの本は、避けていてようでした。映画から入った方が入りやすいですかね。
ちょっと調子が悪いときに見ちゃうと、くてっと疲れちゃいそうですが・・・。(^_^;)
by のろ (2009-11-20 03:04) 

きゅんぱち

これはこれは…、ぜひ、hidechanさんの読後感をまたアップしていただきたいものです。
(^ー^)/
by きゅんぱち (2009-11-20 03:41) 

ソニックマイヅル

この映画は、是非観たいと思っております。

製作話などテレビで見ていて久しぶりに邦画では

ピンときました。^^;
by ソニックマイヅル (2009-11-20 08:51) 

大将

今話題の原作ですね
渡辺謙さんの男泣きは大将もたまたまテレビで観ました
当時、札幌では雨が降っていて大将は仕事を終え帰路途中の車でした
車のラジオから例の墜落事故の速報
ちょうどその飛行機に乗ったかもしれない友人を心配し
家でニュースをずっと観ていた記憶があります
友人は違う飛行機だったので事なきを得ましたが
その惨事をニュースで観ていて涙が出る思いをしましたぁ
きっとこの映画や原作には触れることが無いと思います
ので。。。hidechanさんの感想文を楽しみにしています!
by 大将 (2009-11-20 19:12) 

mistta

今晩は。この手の本はなんとなく避けてしまがちです・・・。
by mistta (2009-11-20 21:34) 

hidechan

のろさん、こんばんは。
なんだか、自分のサラリーマン時代の境遇と若干オーバーラップするところもあり、単なる「小説」としては読めない作品です・・・
映画も、3時間強、途中10分の休憩が入る体勢のようです・・・
体調が良いときに見るようにした方が良いかもしれませんね・・・
by hidechan (2009-11-20 22:16) 

hidechan

きゅんぱちさん、ありがとうございます。
・・・いま文庫3冊目・・・ あの大惨事のまっただ中を読み進めているところです。
「読書感想文」って、小学校の頃から苦手でしたが、色々と思うところはあるので、いずれ記事にさせていただくかもしれません・・・
by hidechan (2009-11-20 22:18) 

hidechan

ソニックマイヅルさん、ありがとうございます。
ソニックマイヅルさんもそう感じていらっしゃいましたか・・・
「熱い日々」を過ごしたサラリーマンには、見て見ぬふりはできない作品なのかもしれません・・・
by hidechan (2009-11-20 22:20) 

hidechan

大将さん、こんばんは。
・・・大将さんも、渡辺謙さんのあの場面をご覧になりましたか・・・
私は、(これは全く個人的な見解ですが)俳優は、人前に出るときは常に「俳優」で、どこまでが「演技」で、どこから「本当の自分」なのかは見ている側にはわからないので、正直なところ、「俳優」の仕草や見解はあまり信用していません。
ただ、渡辺謙さんと、あと数名の役者さんは、それがたとえ「演技」であったとしても、見てみたいなぁ・・・と思ってしまいます。
特に今回の作品は、高度成長期の会社成長第一主義と、人命を預かる航空会社の安全を確保する 会社と労組のせめぎ合い そしてあの大惨事・・・
私も、社会人になって2年目・・・ 慣れない大阪配属にも慣れた頃の夏の夕方、先輩の営業が慌てて帰ってきて、「日航機が墜落したらしい・・・」と・・・
それからは、テレビに釘付けになった記憶があります。
非常に重いテーマの小説、久しぶりに腰を据えて読んでみたい と思える作品です・・・
by hidechan (2009-11-20 22:34) 

hidechan

misttaさん、こんばんは。
そうですか・・・
確かに、「娯楽小説」ではなく、かなり深いテーマを持った小説だと思います。
好き嫌いがあって当然だと思います。
私個人的な感想が書けるよう、努力してみます・・・
by hidechan (2009-11-20 22:41) 

hidechan

どんべえさん、ご訪問&niceありがとうございます。
どんべえさんは、この作品、どう思われますか・・・
by hidechan (2009-11-20 22:42) 

井上酒店

僕も舞台挨拶の映像見ました。どうやら小説自体は凄く良いのですが、話が話だけに映像化が無理と言われていたようですね。それをスタッフが必死になり、映像化出来た事が渡辺謙のハートに火を付けたんでしょうね。その後、ドキュメント番組もやっていたので見ましたが、なかなか強烈な話のようですね。本は読まないかも知れませんが、映画は見たいですね。
by 井上酒店 (2009-11-28 22:50) 

hidechan

井上酒店さん、ありがとうございます。
井上酒店さんも、あの渡辺謙の場面、ご覧になりましたか・・・

この小説が書かれたときから、色々と関係者から反発があった と聞きました。
当時、「週刊新潮」だか「週刊朝日」だかの連載小説として発表されると、その後、J○Lの広告掲載を一切打ち切り・・・

ノンフィクションとフィクションの間に位置するような「小説」です。
ただ、第三部の御巣鷹山編に出てくるご遺族と関係者の一部は、実名だそうです。

これまでに何度も映画化の話が出ていたそうです。
しかし、小説とはいえ、緻密な取材の元に書かれていて、更にあの大惨事もあり、映像化は難しかったということです。

単なる「パニック映画」にならなくてよかった。
高度成長期の会社のあり方、そこで働く「熱いサラリーマン」 官僚との癒着・・・ 時代背景はもう何十年も前のことですが、見ているうちに(読んでいるうちに)「今の時代」でも同じようなことが起こっているような気になってきます。

こんな、会社の恥部を暴露するような小説を書いても、名誉毀損、告訴されるようなことがなかった 山崎豊子氏 のエネルギーもすごいものを感じます。
by hidechan (2009-11-29 10:53) 

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