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今時の工科大学の学生。 [日記・雑感]

今年も、1月5日から仕事始め。
初荷を運びました。

前の記事の通り、2日に初詣。
今年は、私たち夫婦と次男の3人で出かけました。
昨年は、私たち夫婦と長男の3人・・・(次男は大学受験真っ最中でした)

今年は、長男はどうしていたか・・・ というと・・・

 

元日 近くの氏神様へお参りする時間もなく、昨年暮れからずっと、課題(?)をこなす毎日でした。

長男は、都内 某工科大学建築学科の3年。
(一昨年、この歴史ある某工科大学が方向転換し、文系も含む総合大学となり、同時に大学名も変わりました)

・・・すでに「就活」期 突入 が世間一般常識(?)になっている時期ですが、色々と考え、彼は、大学院に進学する 方針を選択するようです。
中途半端な気持ち、なんだかわからないうちに就職するよりは、私はその方が正解 だと思っています。

納得できる就職先が見つかれば、そこに進めばいい。

就活期云々の以前に、彼が3年になってすぐの頃、すでに「研究室」の選択に迫られました。

私たちの頃(80年代初頭 私も、都内某工科系単科大学出身です)は、3年から専門課程に入り、確か4年になる直前に研究室の選択時期があって、4年から初めて研究室に入り、院生の指導を受けながら卒論を書いた記憶がありますが、今はそうではなく、3年のうちに研究室が決まり、そのまま4年になる という流れのようです

どの教授の研究室に籍を置けるか は、今も昔もかなり重要です。
・・・というのも、教授の「顔」の広さ(!)で、就職先がある程度絞られるから です。

もっとはっきり書けば、「大企業」に顔が利く教授の研究室に潜り込めれば(!)、就職はある程度安泰 ということです。

私の長男が専攻している「建築」業界は、現状 かなり厳しい。

「建築学科」は、大きく分けるとふたつ・・・
ひとつは、「構造設計」を主たるお仕事とする ゼネコンに就職し、ひたすら構造設計を行う。

もう一つは、「建築設計事務所」に就職し、デザイン・設計・施工 を行う。
こちらは、建築専門知識だけではなく、デザインセンスも問われる。

彼が通う大学の建築学科には、若手の新進気鋭の教授がいます
もちろん自分の設計事務所も主宰し、数々の賞も取っている 業界では 割と名が知れた建築家です。

昨年夏、研究室を選択する時期がありました。

彼は、ゼネコンのような、大きな構造物の「一部分」の構造設計をするのではなく、できれば施主からヒアリングし、プレゼンし、模型をつくり、実体を設計し、建築する・・・ そんな仕事をしたい という希望を持ちました。

自分のデザインセンスを磨くため、フランスやアメリカに旅をし、自分の目で色々と見ることをしてきました。

そんな努力が功を奏し、彼が望んでいた、この新進気鋭の教授の研究室に入ることができました。

・・・まあ、大変です。

始めは、小さな戸建ての図面を引き、その建築模型を作る 事をひたすらやらされていました。
彼も、そんな細かな作業は嫌いではない・・・
でも、段々スケールが大きくなってきています。

始めの頃は、間に合わないときにはうちに持って帰ってきて、夜な夜な模型造り・・・

でも、最近のテーマは、かなり大きくなってきている。
「都市開発」になってきています。

現存する場所・駅を中心に、テーマを決め、再開発 その模型を作り、プレゼンするわけです。

でかいので、自ずと持ち帰ることができなくなり、昨年11月頃からは、殆ど大学に泊まり、作業・・・
週末帰宅し、ずっと続けている塾のバイト・・・
また月曜から泊まり・・・・

大晦日から元旦も、こんな状態でした。
年末に、作りかけの巨大な模型を車で取りに行き、年明けの2日には、ホームセンターで材料を調達。

4日の夜中、それを大学に持っていく・・・
ずっと寝ていなくて危ないから、私が運転してやりましたが、それからまた大学に泊まって作業を続けています。

私たちの頃も、4年になり研究室に入ってからは、実験データを取り始めると中断できないので、同じように大学に泊まることが殆どでしたが、最近は、それが前倒しで、3年後期からそんな生活が始まる。

よく頑張ってるなぁ・・・ と、正直思います。

就活 が中心になりつつある現在の大学生活は、私は、ちょっと違うんじゃないの? と 常々感じています。
なんのために大学に行くのか・・・

就職するために大学に行く ? 
その為には、授業は二の次で、入学とほぼ同時に就職情報を取り始める・・・

これでは、大学の意味がない と思います。

「大人」としての社会性 を学ぶ
「専門知識」を学ぶ
「教養」を身につける (教養って、漠然としていますね・・・)

その為に大学があるはずなのに、今の仕組みはおかしい。

なので、寝ずに大学に泊まって専門性を磨いている彼の生き方 は、正しい と私は思いますし、ちょっと自慢したくもなります。(親ばかですね)

他の工科系大学がどうなのか は、あまり知りません。
少なくとも、彼が通う大学の、新進気鋭の教授 の指導の仕方 は、正しい と感じています。

4年になり、果たして院に進学するのか、あるいはこの新進気鋭の設計事務所に入ることができるのか もうひとつ彼には、「院に行くんだったら、外国で修行する っていう手もあるぜ」 と、時々話しています。

とにかく、今風の、なんにも目標も持てず、ただ「大企業」「大企業」「安定」「安定」って、繰り返しているような学生にはなってもらいたくない っていう気持ちは、ちょっとは伝わっている・・・かな?

 


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フィットネス

こんにちは。突然のコメントすみません。体を動かすことの大切さや楽しさを伝えようと「フィットネスの勧め」(で検索)というサイトを立ち上げています。ヨガ、エアロ、バレエ、ボクササイズなどのスタジオレッスンを始め、自重、ダンベル、バーベル、チューブなどの筋トレをイラストや動画を用いて解説しています。
 また、筋肉や骨についての解説も掲載しています。
よろしければ暇なときにでも見てください。
http://www.i-l-fitness-jp.com/

by フィットネス (2011-01-07 21:44) 

hidechan

フィットネスさん、はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。

ブログ、拝見いたしました。
とても参考になる情報満載です!!

実は私も、近くのセントラルに通うようになって15年弱の、昨年50歳になった「中年」です・・・

仕事の関係で、「ホリデイメンバー」(土日祝日)で通っています。
筋トレレッスンの「シェイプパンプ50」、エアロビレッスンの「ファイトアタックビート」を毎週欠かさず参加して汗を流しています。
それと、毎週日曜日は、「スクーバダイビングトレーニング」も欠かさず参加して、その後に、マイペースで400~600を泳いでいます。

今後とも、よろしくお願いいたします。
by hidechan (2011-01-08 00:02) 

ソニックマイヅル

息子さん大学院に進学されるとはすごいですね。
もう一度学生生活に戻りたい私でございます。^^;
by ソニックマイヅル (2011-01-08 09:49) 

大将

自分の経験上の失敗から
とりあえずみんなが就職をしているから
無事?に大学を卒業してとりあえず就職しなきゃ
それよりもやはり自分の目的を持って
大学に残るべきか、、、あるいは就職するかを考えるべきでしたね
どうもみんながそうだからとその流れに飲み込まれてしまう
そんな風潮がある気がします
やはり自分!と言う物を大事にすることが1番でしょうね
by 大将 (2011-01-08 10:41) 

のろ

最近の就職には、やっぱり違和感を感じてはいます。学生側にも、企業側にも。
企業側は、実力を求めたりしますが、その実力を学生が磨く時期からの青田買い。また、企業側の余裕の無さから、人材を育てると言うことができなくなってきているようですね。でも・・・学生に実績を求めてもよっぽど一握りの人間になっちゃいそうですよね。
長男さんは、研究室はいい所には入れたようですので、自分磨きに集中できると良いですね。自ずと道は開ける気がします。
by のろ (2011-01-08 13:59) 

たかれろ

そうですね~
自分が何をやりたいのか分からない内に
たまたま入れたトコロに就職するよりも
その方が良いと思います(^^
by たかれろ (2011-01-09 11:25) 

hidechan

ソニックマイヅルさん、ありがとうございます。

できることなら、私ももう一度学生時代に戻りたいです・・・(笑)

まだ、彼の中では「進学決定」にはなっていない・・・ようですが、周りがそろそろ慌ただしくなってきているのを横目で見ながら課題に必死に取り組んでいる姿を見る限り、少なくとも今は、彼の頭の中には「就活」の言葉は入る余地がない。
私はそれで良いんじゃないかな と、黙ってみている状態です。
by hidechan (2011-01-09 16:56) 

hidechan

大将さん、ありがとうございます。
その通りですね・・・

私が今の彼と同じ時期、丁度大学4年になる直前、(以前にも記事に書かせていただいたことがあるかもしれませんが) カナダに留学すること で頭の中はいっぱいでした(笑)
今のようにインターネット等の情報は全くない時代でしたが、2年の夏に初めてホームステイを経験し、それからカナダ大使館の観光課には、良く足を運ぶようになっていました。
留学関連の情報も、ここに行けば豊富に得ることができました。
しかし当時の世の中は、大学4年で卒業し就職すること あるいは大学院2年 更に勉強し就職すること のふたつの選択肢しかありませんでした。
外国留学の「2年」は、「良い経験」として扱われることは希で、「ただ単に就職時期が2年遅れる」 と「不利」に取られるのが一般でした。

今も、こんな考え方が残るところもあるようですが、一度しかない人生 好きなことがあれば それを貫く人生もあっても良いんじゃないか と、私は思っています。
熟慮した結果、自分でそれが良い と判断したのなら、それで突っ走ればいい 
そんな経験をした方が、きっと後になって役に立つ。

色々な選択肢があるのは学生のうちだけ
色々やってみて失敗できるのも学生のうちだけ
失敗が自分の肥やしになるのも学生のうちだけ
貪欲にひとつのことを深く勉強できるのも学生のうちだけ

学生時代って、良いなぁ・・・!!
by hidechan (2011-01-09 17:13) 

mistta

母校に昨年行ったときに、簿記二級取得を目指す会なるものが、掲示板に貼ってあって驚きました。厳しい世の中であることは間違いないようです。長男の頑張りを応援します。
by mistta (2011-01-09 17:38) 

hidechan

のろさん、ありがとうございます。
そうですね。
学生側だけではなく、企業側にもこんな状態になってしまった責任は大いにありますね。
私の時代(80年代始め)は、就職協定(?)があって、会社訪問は4年の10月1日が解禁でした。
なので、4年の夏休み期間は、毎日卒論をこなしながら、大学の就職センターで求人リストを見つつ、研究室の専任教授の「推薦状」を得ること に必死でした(笑)。

なので、4年になっても、じっくりと卒論に取り組める環境は残っていました。
・・・今は、こんなのんびりとした時代ではない(笑)

のろさんの言うとおり、企業側も「人材育成」って、最近は時間とお金を掛けなくなってきているように感じます。

前職、IT関連のベンチャーに籍を置いていたとき、まさにこれは実感しました。

「即戦力」歓迎! みたいな感じですね。
予想していたような業績が上がらないと、ちょっとだけ「アドバンテージ」期間をおいて、それでもダメなら切る・・・
「使い捨て」ですね。

お陰様で彼が望んでいた研究室にはいることができました。
彼の中では、まずはこのファーストステップ が、結構大きかったようです。
この研究室に行けば、おもしろいことができそうだ・・・ そんな、ちょっとハードルが高い目標だったようです。
まずはクリア。
なので、とりあえずよそ見せずに、思う存分ここでやればいい と思っています。
by hidechan (2011-01-09 17:39) 

hidechan

たかれろさん、ありがとうございます。
そもそも、学生時代に、その先の仕事のことまでわかるわけ無いですよね。
今は、在学中に起業する学生も増えてきていますが、そこまで目が肥えているわけでもないし・・・

仕事がない期間が長くなるのも、それはそれで問題ですが、焦って内定を取っても、入社したら全然違った というのも問題ですね。
by hidechan (2011-01-09 17:47) 

hidechan

yangt3さん ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-01-09 17:48) 

hidechan

shiraisiさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-01-09 17:48) 

hidechan

misttaさん、ありがとうございます。
そうですね・・・ 確かに厳しい世の中であることは間違いないです。
実感・・・
でも、そんな世の中の流れに逆らって、じっくりと時間を掛けて専門性を磨く のも、あっても良いんじゃないかなぁ・・・と思います。

ずっと大学に泊まり、うちに帰ってくると本当にやつれた顔(!)で、自分の部屋に入って20時間以上爆睡。

そんな兄貴を見ている次男・・・
次男は経営学部なので、まあ、私が見てもとても優雅な学生生活!
そんな彼もたまに、「兄ちゃん、大変そうだなぁ・・・」とボソッと言うときがあります。
目下、次男の目標は簿記2級。
その次がTOEICで、次が私も昨年取った情報処理技術者・・・
特に文系は、若いうちに取れる資格は何でもとっておけ と、口をすっぱくして言っています(笑)
by hidechan (2011-01-09 17:57) 

hidechan

Azumino_Kakuさん、ご訪問&niceありがとうございます。
たしか御子息は大学受験突入 でしたでしょうか・・・
厳しい時代ですが、厳しい と感じるのではなく、むしろそんな状況を楽しめるくらいでっかい人間になって欲しいですね・・・(親の私がそうできなかったので・・・)

by hidechan (2011-01-10 17:45) 

hidechan

Y2さん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-01-13 15:05) 

hidechan

e-g-gさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-01-13 15:06) 

hidechan

ま~くんさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-01-13 15:07) 

智太郎

大学生活の中において、見ず知らぬ学生とよく喧嘩しましたが、18歳のバイク事故による脳挫傷の後遺症:大学生の発達障害と思う。 世界保健機関(WHO)の報告では、心身に障害を抱える人が世界で少なくとも10億人と言われており、コレは世界の人口全体の約15%にあたるそうです。
by 智太郎 (2011-06-28 20:59) 

hidechan

智太郎さん、こんばんは。
心身障害 世界での数は知らなかったのですが、実は今日、今 お仕事のお手伝いをさせていただいている精神科病院の院長先生の講演会に、アシスタントとして同行させていただきました。

都内某所市役所の中間管理職対象の講演会 「部下がメンタルヘルス不調になったら?」 という講演を聴講させていただきました。

その中で、ここ数年 ようやく「心の病による労災請求」が認知されるようになってきて、平成15年は、メンタルヘルスに関わる労災請求が、年間450件程度 に対して、労災が認められ 支給決定したのが108件・・・
でも昨年度は、メンタルヘルス関連の労災請求が1,181件、支給されたのが308件 だったそうです。

私もこのドクターの研究のお手伝いで、脳機能の解析をさせていただいていますが、ここ数年の、納期脳障害に対する治療の進歩はとても早くなってきています。

by hidechan (2011-06-28 23:55) 

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