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原発関連のお仕事をされてる方、身近にいらっしゃいますか。 [日記・雑感]

GW連休の谷間、5月2日に、このブログでも時々登場してくれる(!)、中学からの悪友(!)と、都内でお仕事の打ち合わせを行いました。
お陰様で順調に進行してきていて、いよいよ詰め段階か・・・ というところまで来たのですが、今回は新たなアライアンス先を紹介してもらい、打ち合わせも滞りなく完了。

で、いつもの通り、「お疲れ様だよね・・・」ということになる。

都内での打ち合わせだったので、普通なら横浜まで戻って行きつけの居酒屋で・・・となるのですが、今回はちょっとサプライズなメンバーが一人加わる ということになっていた。

3年か4年ほど前、中学の時の学年同窓会を行う というときがあったのですが、私は出張中で欠席、そして悪友も、1次会には間に合わず、散会した後の2次会もどき(!)で合流した。

その時の写真はメール添付で送ってくれていて、懐かしく思っていたのです。

同じクラスの男3人、女3人。
男で連絡を取っているのは悪友のみ・・・
女性で連絡を取っているのは約1名・・・

もう、皆すっかり「年相応」の風貌と体型(!)に変身してはいるが、それでも見れば「これは誰でこれは誰」ってわかる。
不思議ですね・・・

で、2日は、その中のT君が時間が取れる というので、打ち合わせ終了後、山手線某駅で17時待ち合わせ。

中学時代、T君はバスケ部。

とてもまじめで、勉強熱心だった(・・・と思う・・・)・・・ということにしておく。

年賀状のやり取りは続いていて、彼は、「原発関係のお仕事」をずっと続けている ということは知っていた。

悪友は、先の同窓会で彼とは会っているのですぐわかるだろう 
でも、私は写真だけで、実際に会うのは、T君曰く、「高校卒業頃に一度集まったと思う・・・」 それ以来 会っていない。

悪友先導で待ち合わせ場所に行く。
私もキョロキョロと周りを見ながら彼に付いていく。

悪友が、ある男のすぐ前を素通りした・・・ 

その男、T君だった・・・

なんだか妙に恰幅がよくなって、バスケ部のイメージは・・・無い。

ちょっと静かめのお店に入り、色々な話に花が咲く。

とりわけ、T君の仕事のことが気になる。
大卒で就職して、それ以来ずっと今の会社で、大型プラント 特に彼は原発関連のお仕事を続けている。

3月11日の震災が来ていなければ、今頃は福島第一原発に入っていた・・・。
昨年末と今年の2月には、短期で福島第一原発に入っていた と。

彼は、2007年の新潟県中越地震発生直後から昨年末頃まで、柏崎刈羽原発に入りっぱなし。
長かった。
週末の土日だけは帰宅し、後はずっと、ここの原発に入り、仕事を続けてきた。

今はたまたま、有休消化で自宅にいた。

東電管轄の各原発の中には、必ず彼の会社の現地事務所も置かれているらしい。

「柏崎刈羽のときは、ずっとアパート暮らしだったのか・・・?」
「いやいや、近くのアパートには住めない。 基本的にどこでも、すぐ近くに寮がある。 通常時は2交代制だから、夜中に帰るときもある。 原発関連の人間が、特に夜中に出入りすると、地元からとても嫌がられる。」
「・・・なるほどなぁ・・・」

「今回の福島第一の事務所はどうだった?」
「発生当時は連絡も取れず、かなりひどい状況だった。 女川の事務所は津波の被害を受け、幸いにして犠牲者は出なかったものの、通勤に使う車、事務所内はすべて津波で流された。 PC類も海水水没で、塩が吹いてしまってデータ救出もできない。」

「職員の被曝管理はどうなっている・・・?」
「少なくとも俺の(T君)会社は、一人一人必ず線量計を持たされてきちっと管理されている。」

「福島は、規定線量に達してしまう作業員がこれからどんどん増えてくるんじゃないの?」
「そうかも知れない。」

「そうなったら、まだ規定量に達していないT君のような技術者も呼ばれるような事態になるのか?」

「・・・ありえるね。 俺も、どの段階かはわからないけど、いずれは福島に呼ばれるときがあると思っている。」

「・・・・・・」

彼は、星座が好き。
カメラを改造して、天体写真を撮ることが好き。
星座を撮るためにずっと銀塩カメラを使ってきたが、最近デジタル一眼に替えたそうな・・・

デジタル一眼で天体写真を撮るのは、カメラの改造が必要らしい。
普通のデジタルカメラのCCDの直前には、赤外光をカットするフィルターが付いている。
それが、天体写真を撮るときには邪魔をする。
赤外光をとらえて初めて、天体写真が普通に撮れるらしい。
なので、そのフィルターをはずす改造をしなければならない。
天体写真用に改造したカメラは・・・ 普通の撮影には使えなくなる・・・
何とも悩ましい・・・

3人で飲んでいるときも、彼からは、当たり前のように「ガンマー線が・・・・ 。 サーベイメーターが・・・・。 原子物理学的には・・・ 。 水をうまく利用しないと・・・。」と、すっかり原子力技術者になっている。

私たちも福島の事故で、毎日のようにニュース・新聞で原子炉や燃料棒の事を聞かされて、「にわか知識」と「専門用語」だけはいっちょまえに語ることができるが、さすがに長年、原発に携わってきているだけあって、彼の説明はとてもわかりやすい。 

驚いた。

大学の講義を聴きながらお酒を飲んでいるような気分。
付いていくのが必死だった。

医療関係同様、色々と必要資格もあるようで、相変わらず勉強の毎日だ と。

今後、どう展開していくのか・・・
T君は、直接原発の設計・施工をしているわけではないが、でも現場経験が長く、広い視野でとても詳しい。

「国策で始めた原発だけど、実際問題、どこも今回のような大震災は、やっぱり想定外。 現状では、防潮堤を作ることくらいしかないんじゃないかなぁ・・・」

「国内で稼働している原発は、沸騰水型軽水炉(BWR、ABWR)と加圧水型原子炉(PWR)があって、東電管轄では、唯一 敦賀原発で両方のタイプの原発が稼働している。 どっちが安全か は、わからない」

「火力発電の整備を緊急で始めている。 福島の広野火力発電にも、震災の時にスタッフが入っていた。」

原発配管の溶接部位は、高温と放射線で疲労が早まる。 高度な施工技術(溶接等)と定期点検が必要なんだ。」

まあ、他にも色々と現場の状況を聞いたのですが、あまり公にしてはいけないような話題もあって・・・

とにかく、無事で何よりだった・・・

かたや悪友は相変わらず(もちろん悪気は全然無い・・・)、当時の「些細な日常の出来事」を本当によく覚えていて、また爆笑の連続・・・
彼といると、時間を忘れる。

動くタイムカプセル」のような感じ・・・

「中学2年だかの頃に、月食があるから、夜に校庭に集合して観察するぞ って、よばれたの覚えてる?」
「・・・全然覚えていない。」

「俺らのクラスは結構集まったんだけど、その時、H先生(担任)は、『おまえらはしっかり観察しろ。 おれは、一人でゆっくりさせてもらう』って、校庭の隅でワンカップ持ってきてちびちび飲んでいた・・・」
「・・・爆!  ぜーんぜん知らなかった! 今だったら、PTAに叩かれて即クビだね! 良い時代だったんだ・・・」

ちなみに、私たちが中学生の頃の、この担任のH先生は、今や、都内某区の区立中学校の校長先生・・・

(この情報も、悪友が見つけてきてくれた・・・)

そんな話題や、原子力の深い講義(!)で頭をかき回された、連休の中日の出来事でした。


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コメント 16

mistta

今晩は。面識は有りませんが、Tさんがいつまでも、同窓会(?)
で歓談されることを切に願います。
by mistta (2011-05-05 18:28) 

大将

いつの時もいくつになっても悪友との再会はなんとも楽しいでしょうね
年齢を重ねていくと共に
あおsの再会の時は少なくもなったりしますが
それにてもTさんは不幸中の幸い
もしかしたら被災していたかもしれないですもんね
専門家だからこそ理解する危険性もたくさんあるのでしょうねぇ
by 大将 (2011-05-05 21:17) 

hidechan

意馬心猿さん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-05-05 21:52) 

のろ

原子力産業は、下請け、中受けがいっぱいあって、現地で危険な作業をしているのは下請けばかりだという話を聞いたことがあります。Tさんも現場に行っているというのであれば下請けなのかな~・・・。
東電が批判的に見られることの一つに、現地作業をしてないんじゃないかというものもあります。それ以上に何を考えてるんだ?というので、ボーナスなどの削減に渋ってるというのもありますよね。それでいて補償額を制限させようと働きかけたり。つまりは自分たちは体よく金をもらって、税金投入で保証させようとしている。全く信じられないです。
さらに技術的なことでも、1号、2号は、GEに丸投げでスイッチを捻れば原発が起動する状態で引き渡しを要求してたとか・・・。つまりは東電内に技術の蓄積もないと言うことなんですよね。
今日のニュースで、また想定外のことの話が出ていましたが、水素爆発は想定外だとかぬかしているようです。その危険性は、海外の学者から、早期から指摘があったようですが、それを無視しておいて、想定外だとかぬかしているのです。嘘も百編重ねれば本当になる、とでも思っているんでしょうか。関係者の責任追及の手は緩めてはならないでしょう。
ふう( -.-) =з。今日も怒りにまかせて書いてしまいましたm(._.)m ペコッ。
by のろ (2011-05-05 21:54) 

hidechan

misttaさん、ありがとうございます。
同窓生って、いくつになっても仕事の壁とか肩書きとかは不思議と無くなるので、本当にリラックスできて、お互い、いいたいことを言い合うことができます。
とてもありがたい存在。
もし彼が、間違った方向に進もうとするなら、きっと私たち同窓は、本気で怒ると思います。
今の彼は、最前線ではないけれど、なんとかこの危機を乗り越えるべく、彼ができる範囲の仕事を続けています。
だから今、同窓の私たちは、彼を応援し、けがや被曝、病気をしないことを願うばかりです。
by hidechan (2011-05-05 21:57) 

hidechan

大将さん、ありがとうございます。
年を重ねれば重ねるほど、悪友の存在のありがたみ を実感する毎日です。
今回何年ぶりかで再会したT君も、悪友の走り・・・(?)
しばらくあっていない間に、すっかり「原発技術者」になっていました。
私たち同窓としては、うれしいことです・・・

今回、彼と会って、お酒が入ったから というわけでもないのですが、現状 をフランクに話すことができ、教えてもらうことができました。

で、私なりの結論は・・・ 目に見えない原子の動きで発熱する ということは、まだまだ人間が完全に制御することは不可能。
計算通りに動かず、予想外の反応を始めたら、対処のしようがない。
だから怖い。
でも、「発熱」だけを考えたら、(様々なリスクを見ないことにすれば) 原子炉は効率はいいのかもしれない。
安全に動かすための技術力が付いてくるのなら、原発は考慮すべき方法の一つかもしれません。

でも、つい先日、専門家として招聘された内閣参与の東大の教授が、「政府の考え方にはついて行けない」と、涙ながらに会見をし、職を辞することを表明していましたね。

だから、専門家をもってしても、原子力を使いこなすことは難しい 危険が多い ということなんですね。

今回再会した彼は、もう30年近く原発に関わってきた。
だから、彼の一言一言には、重みがあるし、説得力がありました。

「脱 原子力」・・・
この方向に行かざるを得ないのでしょうか・・・

by hidechan (2011-05-05 22:15) 

hidechan

のろさん、おはようございます。

>原子力産業は、下請け、中受けがいっぱいあって、現地で危険な作業をしているのは下請けばかりだという話を聞いたことがあります

私も何度もこの事は見聞きし、実際、かなりの部分で事実のようです。
ただ、東電の原発部隊も、元々は国策で始まった部門でもあり、それなりの技術者と頭脳集団でもあるようです。

今回再会したT君も、東電傘下、その中でも上位のグループ企業(?)です。
彼の名刺を見ても明らかです。

事故以来、現場に詰めているのは、ゼネコンの職人さん達や配管・配線工事専門の会社の方々、点検専門の方々 がかなりを占めているそうです。

広範囲にわたり、かなり破壊されているので、まずは「箱物」から直していかなければならない ので、今は直接原発に関わる人たちよりも、外回りを立て直すためのスタッフが投入されているようです。

政府が「今回の事象は、東電に免責上限はない」と明言したことは、久しぶりにはっきりした物言いだなぁ と感心しましたが、直後に、「東電だけでは補償の限界がある」ので、電気料金を上げる云々 という話が出てきましたね。

これは明らかにおかしい と感じます。
たとえ国策で始まった事業 であるとしても、一企業がこれだけ甚大な事故(明らかに人災)を起こしてしまって、それが自社だけで補償できそうもないから、公共料金に上乗せする って、これはどう考えてもおかしいです。

納得できないですね。

放射線被曝で、震災以来 地元にはいることすら許されない人たちの生活、子供達の生活、勉強、就職・・・ いったい、いつになったら解決するのか・・・ もう解決することは不可能なのか・・・
何よりもまず、最大の誠意を持って、東電に迅速に対応してもらいたいのはここです。
by hidechan (2011-05-06 10:29) 

ガンガンガン速

お邪魔いたします。
いいですね、学生の頃のお友達。
Tさん、福島に呼ばれないといいですね…。
by ガンガンガン速 (2011-05-06 11:09) 

hidechan

ガンガンガン速さん、はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
by hidechan (2011-05-06 12:10) 

ソニックマイヅル

時間を忘れての語り合い、人はそれぞれの進む道、時間があるんだなと改めて感じました。^^;
by ソニックマイヅル (2011-05-06 19:30) 

hidechan

ソニックマイヅルさん、ありがとうございます。
悪友だからこそ、時間を忘れ、仕事の壁を忘れて昔の関係に戻ることができる・・・ 大切な友人達です。
他にも、医者になった者、某楽器メーカーにいた者、左官屋さんをしている者・・・
本当に多種多様な人生を歩んでいる仲間が多い。
話題が尽きないですね。
ありがたいことです。
by hidechan (2011-05-06 22:05) 

たかれろ

今この瞬間でも、危険な場所で作業されてる方はたくさん居ますね。
東電や、保安院の記者会見を、歯がゆい思いで見ているでしょうね。
by たかれろ (2011-05-07 18:37) 

hidechan

yangt3さん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-05-07 19:54) 

hidechan

たかれろさん、ありがとうございます。
・・・そうかも知れません。
現場と霞ヶ関・・・温度差がありすぎます。
今回会った旧友が話すなかにも、そう感じられるところ たくさんありました。
by hidechan (2011-05-07 19:56) 

hidechan

e-g-gさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-05-19 00:25) 

プラダ バッグ

匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_^;)ありがとう。。。
by プラダ バッグ (2013-06-29 01:07) 

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