AEDのこと その④ AEDに関する法的なこと [健康]
(長々と連載になってしまっています・・・)
これまで3回に渡って、AEDのことや心臓のこと、心電図のこと を書かせていただきました。
医療従事者ではない、私たち一般市民がAEDを使用する ということ を前提に突っ走ってきましたが、
私自身の再確認を含め、
一般市民がAEDという「治療機器」を使用することに対して
法的にはどのような背景があるのか
どのように守られているのか
を、まとめます。
※くり返しになりますが、
誤記や、間違った解釈があった場合は、是非ご指摘をお願いします。
非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会 報告書
(厚生労働省 平成16年7月1日)
・・・相変わらずお役所通達で、読むのが大変ですが・・・
要は
- 平成14年での、119番コールから救急隊員が現場へ到着する平均時間は6.3分。 心原性心疾患については、この間に現場に居合わせたバイスタンダーによる電気的除細動が行われれば、救命にとって有効である。
- 除細動を行うべきではないときに使用者がボタンを押しても通電できないように設計されている 自動音声で使用者に注意を促す 等の安全設計がなされたAEDを使用する。
- 非医療従事者が利用する事を前提としたAED(自動式体外除細動器)は、薬事法の承認を受けたもので、誤動作の可能性が無く、簡便な操作で、手動での除細動ができないようになっているものであること。
- 除細動が必要となったとき、近くに医師等が見つからない、対象者の意識・呼吸が無いことが確認できている、使用者がAEDの使用に必要な講習を受けている、 と言う条件を満たすとき、非医療従事者がAEDを使用しても、医師法には違反しない。
で、大切なのはここからです!
- 医師法違反の問題に限らず、刑事・民事の責任についても、人命救助の観点からやむを得ず行った場合には、関係法令の規定に照らし、免責されるべきであろう。
- 当検討会が示す条例は、「法違反に問われない」 「損害賠償責任を問われない」 と言う、いわば消極的な安心感を与えるものに留まらず、医学的知識を含め救命についての理解に立って、自信を持って救命に積極的に取り組むことを促すものであるべきである。
スポーツの世界での見解です。
AEDの使用・管理をめぐる法律問題
(2010年 Sportsmedicine スポーツ法政策研究会)
逆に、私たちのような一般市民 でも、業務の内容や活動領域の性格から、
一定頻度で、心停止者に対し、応急の対応をすることが期待・想定される非医療従事者(一定頻度者) は、
AED講習の受講義務 が発生するそうです。
一定頻度者 についての厚生労働省の明確な規定はないようですが、
スポーツ施設・公衆施設・学校・公共施設等の関係者、
スポーツ指導者、公務員、警察官、消防士、消防団員、教員、養護教諭、
介護ヘルパー、介護福祉士、客室乗務員、空港関係者、保安関係者、等
に対しては、「一定頻度者向け講習」があり、受講義務があるそうです。
※心臓の動き 及び 救急救命方法、AED操作 等についての詳細は、
最寄りの消防署、医療機関等へお問い合わせください。
hidechanさんの記事を読むにつれ
もし、身近でこういう講習をやっていることを知ったら
ぜひ受けてみたい!と思いますね
以前、心臓マッサージや人工呼吸の講習を受けたことがありますが
それとはまるっきりやる事が違うんでしょうね
法的と言えば
今、宮城での無資格医師事件の米田だか捕まりましたが
そう考えるとAEDも機械任せの部分が多いと言えども
やはりある意味医療と言う事にもなるはず
そう考えると腰が引ける部分があってもおかしくは無いです
と言うか、実際に目の前で瀕死の人がいて
やはり目の前にAEDがあったとして
自分がそれを使う事が気持ち的にできるのかどうかは
その場にいないとわからないというのが今回の事故の時に思いました
by 大将 (2011-08-19 23:39)
ウチの嫁さんは、アロマセラピストの資格を取る際に、色々と勉強しているので、AEDについても学んでいますし、いざと言う時には、掛けより、大急処置も出来ますが、僕は全く知らなかったので、勉強になりました。ただ、いざ目の前で人が倒れたときに、自分に何か出来るだけの冷静さがあるか・・・それが一番心配です。やはり自分自身もパニックになりそうで怖いです。もっと強いハートが無いと人を助けるって、本当に勇気がいることだと思います。正直その勇気が本当に何かあったとき沸いてくるか、凄く不安もありますが、出来ることはしたいと願っています。
by 井上酒店 (2011-08-20 00:06)
ソニックマイヅルさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 20:03)
ヒロさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 20:04)
のろさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 20:04)
大将さん、ありがとうございます。
>もし、身近でこういう講習をやっていることを知ったら
>ぜひ受けてみたい!と思いますね
大将さん、実はいちばんこう思っているのは、記事を書いている私自身かも知れません!!
医学的なデータは変わらない が、その解釈はずいぶん変わっている ということを、今回、記事を書きながら痛感しました。
自分自身、大変勉強になりました。
でも、大将さんのコメントにいただいたとおり、AEDはあくまでも「補助」の機械であって、本当は、人工呼吸と心臓マッサージ(CPR)だと思っています。
ただ、今回これも改めて確認できたのですが、「人工呼吸」は、短時間の心臓蘇生には、行わなくてもあまり影響はない ということが、AHA(アメリカの心臓学会)とヨーロッパ蘇生協議会が提案しました。
それを受けて、日本国内のガイドラインも、このように変わる可能性があるようです。
そもそも、胸骨圧迫と人工呼吸を一人で行うのは非常にしんどい。
二人いれば、交代でやればいいのですが、なかなかそうはいかない。
実際、昔私が講習を受けたのも、一人で行う方法でした。
かなりしんどいですね。
しかも、今は感染の問題も大きい。
ハンカチを口にあてがって・・・ということも一時期聞いたことがあるのですが、やはりこちら側「蘇生する側」のリスクは少ない方がいい。
実際にこのような緊急の場面に遭遇したら・・・
いくら法的には、「失敗しても罪になることはない」 と担保されていたとしても・・・ 正直、怖いです。
倒れている人を動かしただけで状態が悪くなる場合もある。
だから・・・ 外観から、即座にその人がどんな状態なのか を判断できる知識 も必要ですね。
by hidechan (2011-08-21 20:20)
井上酒店さん、お疲れ様です。
アロマセラピストの資格を取得するときも、今はAEDの講習を受けるのですか・・・ 知りませんでした。
実はうちのかみさんもヘルパー2級での仕事をやりつつ、介護福祉士(国家資格)を取ったので、やはりAEDの講習を近々受けることになるようです。
私も、今回改めて必要性を痛感したので、取り直したいと考えています。
ただ・・・
実際にそんな場面に遭遇したとき、果たして自信を持って対処できるか と言われると・・・ 胸を張って「ハイ」とは答えられない自分がいます・・・
まだまだですね・・・
講釈だけでは、何の役にも立ちませんね・・・(涙)
by hidechan (2011-08-21 21:52)
misttaさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 21:54)
マチャさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 21:59)
yangt3さん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 22:00)
Azumino_Kakuさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 22:02)
たかれろさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-22 16:06)
goingさん、はじめまして。
ご訪問&niceありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いします。
by hidechan (2011-08-22 16:14)
hidechanさんがAEDの法的な件について書いておられるので、私はそれまでのCPR(胸骨圧迫)等の救命措置についての法的根拠を書き、補足とさせていただきたいと思います。
以下は、私が「応急手当普及員」講習の際にもらった資料からの抜粋にいくつか言葉を付け足して、よりわかりやすくしたものです。
まず、日本においては、民法698条に緊急事務管理に関する規定があり、これによると、「身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重過失がある場合でなければ、損害賠償責任を負わない」とされています。
このときの「緊急事務管理」とは、いわゆる救命措置にあたります。
(言葉と実際の行動がそぐわないのはいつもの通り)
ただし、誰が見ても軽率な応急手当と考えられる場合、例えば、倒れている人を見て、反応等の観察もせず、いきなり胸骨圧迫を実施して傷病者を負傷させた場合、又は気まぐれでCPRを中止した場合(事務管理は始めた以上は継続する義務が法律上課せられています)などは、管理行為に重過失がありと言えるかもしれません。
本来、救急隊員又は医師が来るまで胸骨圧迫や人工呼吸を続けなければなりません。しかし、実際にやってみればわかりますが、現実問題として相当に体力を要するので、一人で長時間実施することは困難で限界があります。この場合には途中で中止することもやむを得ないということになります。
(4年前に実際に川で溺れた心肺停止状態の人を救助したときは、別の人が人工呼吸を受け持ってくれたのでその間数秒は休むことができましたが、1セット30回を5セットくらい続けると、もう限界が間近でした。蘇生してくれたからよかったものの、あれ以上は無理だったかも、です。)
要するに、善意であること・応急手当の手順どおり実施することにより、民法698条の緊急事務管理が成立し、刑法第209条の過失傷害罪・同第210条の過失致死罪・同第211条の重過失致死罪に問われることは無いと考えられます。
やっぱり講習は受けておくに越したことはありませんね。
ちなみに、各自治体の消防署では定期的に救急救命講習を行っています。興味がおありの方は、各消防署のHPにアクセスしてみてください。きっと見つかると思いますよ。
長々とすみませんでした。
by ヒロ (2011-08-22 20:52)
ヒロさん、詳細なコメント、ありがとうございます。
私自身 率直なところは、倒れている人を見つけたとき、やはりすぐに駆け寄って、正しくCPRを施術できるか と言われれば、胸を張って「ハイ」とは答えられません。
・・・と言うのも、医療機器メーカーにいたときはずっと大学病院の担当で、救命センターやICU、オペ室、カテ室 に毎日のように入り浸りで、救急搬送されてきた重篤な患者さんは、慌ただしくテキパキと周りのスタッフの処置や準備が進行する中、体位変換だけは、とても慎重に行っていた と言う場面を何度も眼にしました。
なので自分の中に、「・・・ああ、倒れている人は、簡単に動かしてはいけないんだ・・・」という固定概念ができあがっています。
うつ伏せで倒れて動かない人を、簡単に仰向けにしてもいいのか・・・
しかし・・・
それとは裏腹で、胸骨圧迫の時は、「胸骨と肋骨を折るくらいの力」で圧迫していい と講習を受けました。
「・・・えっ!!?」と思いましたが、骨折は後で直すことができるが、壊死した脳細胞は直すことができない・・・
どちらのリスクが重いのか 即座に判断する と言うことも教えられました。
ただ今回調べると、やはり、「胸骨を折るくらいの力」で胸骨圧迫をすると、肝臓を傷つける可能性がある ということも読みました。
やはり近々、再度講習を受けてきます。
by hidechan (2011-08-29 10:21)
オデコさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-29 10:23)
e-g-gさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-29 10:24)
dendenmushiさん、&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-31 12:33)
今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^
by ルイヴィトン 財布 (2013-06-29 08:43)