「死因不明社会2 なぜAiが必要なのか」 海堂 尊 [本]
ここしばらく、お仕事の準備でどうにもこうにもブログの時間が取れずにいます・・・
(朝から晩まで、ずっとPCの前にはいるのですが・・・)
不定愁訴外来の「グッチー」ドクターと厚労省役人が次々と登場し、ここしばらくずっとはまっている
著者 海堂 尊氏・・・
今度の新刊は、ちょっと違います。
『死因不明社会2 なぜAiが必要なのか』 (ブルーバックス)
独立行政法人 放射線医学総合研究所 重粒子医科学センターAi情報推進室室長 海堂 尊 氏
急激に見えなくなってきています・・・
近くの本屋になかなか無くて、ようやく一昨日、入手しました。
海堂尊氏の小説シリーズにも、「Ai」(オートプシーイメージング 死亡時画像診断)が取り上げられていて、
前職は院内画像配信システム(PACS)のコンサルをしていた私も、こんな使い方があるんだ・・・ と、改めて知り、その有効性を認識した一人です。
そもそも、ドクターの「死亡判定」が出た瞬間に、「患者」から「遺体」に大きくスタンスが変わるわけです。
まだ「患者」であるときには、放射線検査(CTやMR)は普通に受けることができるが、
「死亡判定」が出た瞬間、扱いが大きく変わるわけです。
これは、私のお袋の時にも実感しました。
まだ途中までしか読んでいないのですが、
今まで知らなかったことがすでに満載です・・・
例えば・・・
日本は、世界最大の「CT」インフラ整備が整っている国・・・
なんと、全世界で稼働中のCTの3分の1以上が国内に設置されている・・・
MRも、全世界の40%が国内で稼働・・・
まず、この数字には驚きです。
確かに私も、医療機器メーカー時代には、何となくそんな印象は受けていました。
モダリティ(CTやMR等の高額画像診断機器)の営業は半端じゃない・・・
私が医療機器メーカーに籍を置いていた頃(大昔!)は、
新たに開業される(内科)医院の「三種の神器」は
心電計、血球カウンター、そして 腹部超音波エコー ・・・
エコーなんて、そんなに内科で使うのかなぁ・・・ って思っていましたが、
当時もかなり小型化されたエコーは、新規開業の「看板」でした。
・・・それが、ここ数年は、医院でも「CT」を設置しているところを眼にすることが増えてきています。
そんな時代だから、病院も含めれば、機種の新旧を別にすれば、かなり導入されていることは十分想像できます。
それと、国内の「解剖至上主義派」と「Ai優先主義派」との確執・・・
これは是非この本を読んでみてください。
今回の東日本大震災で、ご遺体の判定に、DNAや歯科データだけではなく、
Ai(死亡時画像診断)をぜひ役立てたい と、石巻市医師会が宮城県警に嘆願書を上げたにもかかわらず、
県警からは辞退する旨の返答がきたこと・・・
Ai判定の画像データも多数盛り込まれています・・・
まだ途中なのですが、
「・・・こんなにご遺体の損傷が激しい状態でも、Aiならご遺体を解剖することなく判定できるんだ・・・」という事例が多数盛り込まれています。
水死、焼死、圧死・・・
裁判員制度がはじまって、素人がご遺体の写真を眼にすることも増えてきている。
そんな時に、損傷が激しい証拠写真を見せられて、冷静に判断できるはずがありません。
それがAiなら、普段から見慣れている「レントゲン写真」のような状態なので、確かに損傷が激しい状態は明確に見えますが、拒絶反応は少ないのではないか・・・ と思われます。
そのなかで、ショッキングだったのは・・・
ダイバーが減圧症で水面で死亡した事例・・・
これは他人事ではありません。
スクーバダイビングは、タンクに圧縮空気をいれて、大体水深20~25メートルくらいまで潜ります。
時間にして、長くても1本 40分くらい。
それを、1時間程度の休憩を挟んで、多くても一日3本くらい・・・ 普通は2本。
水圧が高くなるにつれて(=深度が深くなるにつれて)、
周囲圧(水圧)と空気のガス分圧の影響で、血液中に窒素が溶け込んできます。
普通の空気は、大ざっぱに、
酸素 約20%
窒素 約79%
二酸化炭素 約0.03%
その他 約1%
常にこの割合で圧力が増していくので(ダルトンの法則)、窒素の影響はかなり大きい。
なので、10メートル以上潜ったら、浮上するときには必ず血液中に溶け込んだ窒素を少しずつ排除しなければならない。
それが、浮上途中の「安全停止」なんです。
これがきちっとできるように、「中性浮力」の練習や、「ダイコン」が必要になるわけです。
飛行機での移動も制限されます。 (機内の気圧が低くなるため)
深く潜って、血液中に窒素が溶け込んだ状態で水面まで急浮上してしまうと、外気圧がいっきに1気圧まで下がります。
そうすると、溶け込んだ窒素は血液中で気化して、血液に乗って身体中を廻ります。
・・・非常に危険です・・・
気泡が末梢に入ってしまうと、詰まって塞栓を起こす・・・
これが、「減圧症」です。
だから減圧症になったら、大至急「加圧チャンバー」という大型のタンクのような医療機器に入り、もう一度外気を加圧し、
気化した窒素を元の状態まで戻し、そこからゆっくりと減圧をして治療する必要があるわけです。
この「減圧症」で死亡したダイバーの「Ai」画像が掲載されています。
もちろん初めてみましたが・・・
・・・ひどいですね・・・ 想像以上です。
脳内はもちろん、「舌」の中の毛細血管まで気泡が入ってきてしまっています・・・
これはきっと、「解剖」では判定できないのでは・・・ と、確かに思います。
「解剖」と「Ai」の費用面のこと、
病院の対応のこと
・・・まだ途中ですが、ぜひ一度、読んでみて欲しい本です。
まずは。。。
誕生日!おめでとうございます(^^)v
死因ですねぇ。。。
いつも不思議に思うのですが
高齢者が病院で目を落とした時の死因
ようは死亡診断書に書かれるものは
大体決まっているんですよねぇ
それで良いのか?と思ってしまいます
当たり前のように心不全とか書かれているですよねぇ
目を落とす時は当然心不全にはなりますけどねぇ
by 大将 (2011-09-06 20:43)
お誕生日おめでとうございます。(*´∀`)ノ。
それにしても・・・ちょっと忙しそうな感じが気になります~。まあもし楽しんでやれているなら、あまりストレスは感じないのかもしれませんが、体には疲れがたまりますので休むときは休んでくださいね~?
「Ai」(オートプシーイメージング 死亡時画像診断)。初めて聞きました~。損傷のひどいご遺体などでh確かにある意味抽象的になっていた方がショックを受けにくいのかも。
それと、CT、MRI。日本の量がすごいというのも初めて知りました~。こういう機械は広まって欲しいと思う反面、医療費の高騰の原因にもなっているのかなぁ、とちょっと不安にも感じました。
by のろ (2011-09-06 21:38)
今晩は。一日遅れですが、誕生日おめでとうございます。
目を大切にして下さい。
by mistta (2011-09-06 22:44)
お誕生日おめでとうございます(゚∀゚)ノ
忙しい毎日を乗り切れば、素敵な海が待ってますよ♪
by たかれろ (2011-09-07 07:26)
大将さん、ありがとうございます。
・・・もうこれからは、「おいくつですか・・・」って聞かれても、ずっと同じ年齢で答えることにします・・・ 「ハイハイ、丁度半世紀です!!」
高齢者の死亡診断書は、確かに難しいところがありますね・・・
死亡診断書は、実は私はお袋の書類しか実際には見たことがありません。
あれを持って区役所へ行き、火葬許可書(だったかな・・・)等々の手続きに走り回りました。
よく、「多臓器不全のため」っていうのも聞きますが、多臓器不全は最終的な結果であって死因ではないですね。 ・・・と思います。
心不全も、結果的に心不全になったのであって、その原因はあるはず・・・だと思います。
なにか「決まり事」があるのかも知れませんね。
この本を読んで、今の世の中の「変なこと」に次々と気づかされています。
・・・やっぱり、変です。
「Ai」と「法医学」と「検察」・・・
by hidechan (2011-09-07 11:41)
ソニックマイヅルさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-09-07 11:42)
のろさん、ありがとうございます。
・・・去年あたりから、誕生日が来ると、「・・・ああ、あとどれくらい生きられるんだろうなぁ・・・ まだまだ やりたいことはたくさんあるのに・・・」って、本当に思うようになりました。
・・・今年も・・・ まず頭に浮かんだのはこの事でした。
ちょっと前に、背中に線維腫ができたときも、同じ事を思いました。
いつ大病になるか分からない(うちはかなり濃厚な癌家系です・・・)
だから、やりたいことはやれるうちに思いっきりやる って、その時にも思いました。
今準備しているのは、いつの頃からか、「いつかはドクターと同じ目線でお仕事ができたらなぁ・・・」って思うようになっていて、暖め続けていたことです。
だから「与えられた仕事」を嫌々やっているのではないので、全く苦にはならない。
でも、苦にはならないんですが、「苦しい・・・」です・・・ 正直。
本当に苦しいです・・・今が一番。
「産みの苦しみ」かも知れません・・・ そうあって欲しいんですが。
今までの医療やコンサルテーション、プレゼンテーション、企画、プランニング・・・すべての経験・知識をつぎ込んでいるつもりです が、一人になると、やっぱり限界点が低すぎる・・・
もっと勉強しておけばよかった・・・ 結局ここにたどり着きます(笑)
でも、お陰様でもうちょっとで、長いトンネル 抜けられる・・・かな・・・
オートプシーイメージング 「Ai」の為の「Aiセンター」が、全国に広まりつつある状況は初めて知りました。(27都道府県)
遺体専用機を設置する施設もあるそうです。
国内で稼働しているCT、MRの数もすごいですね。
ビックリです。
どれだけ使いこなせているのか 撮影した画像がどれだけきちっと読めているのか は別問題ですが・・・
by hidechan (2011-09-07 12:17)
misttaさん、ありがとうございます。
実は本格的に準備を始めたのは6月下旬からだったのですが、眼に来ました・・・
今までは車を運転するときは眼鏡等の制限もなかったのですが、特に夕暮れ時はとても見づらくなって、運転するときのメガネもつくりました。
その時視力を測ったのですが、裸眼で0.4まで落ちているのには愕然としました。
ずっと1.2でしたので・・・ 見えないわけですね!!
好きで始めたことなので・・・
早くかみさんを激務から解放させないと・・・ それが先決です。
by hidechan (2011-09-07 12:25)
たかれろさん、ありがとうございます。
これからはもうずっと、「半世紀」です・・・
海、行きたいです!!!!!!
今年は正直、厳しそうなのですが、来年はクラブのメンバーさんが、渡嘉敷とサイパンに行こうねって誘ってくれています。
ガンバリマス!!
by hidechan (2011-09-07 12:28)
こんばんは。2日遅れになりましたが、お誕生日おめでとうございます。
海堂尊氏の本は、一部を除いてほとんどを読破しています。さすがに医療知識なんかにはついていけない箇所もありますが、おもしろく読んできています。読むたびに役所や役人に対するムカツキを高めてはいますが(笑)
この本も近いうちに読んでみたいと思います。
by ヒロ (2011-09-07 22:31)
ヒロさん、ありがとうございます。
「グッチー」シリーズ、おもしろいですよね!!
院内の雰囲気や厚生省役人の雰囲気も、さすが現職のドクターだけあって、かなりリアルです。
厚労省は私もある時期かなり出入りしていましたが、まさにその時の景色が甦ります。
で、海堂尊氏は、放医研のAi推進室長でもあるわけで、今回記事にした本は、そちら側の著書です。
この本の「前編」 『死因不明社会』(同じくブルーバックス)も、是非読んでみてください。
by hidechan (2011-09-08 15:06)
e-g-gさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-09-08 15:07)
yangt3さん、ご訪問&niceありがとうございます。
ご出張、お疲れ様でした。
by hidechan (2011-09-08 15:08)
こんにちは。実は私もhidechan様同様・・・非常にタイトな生活をしてしまっております。なのでコメントも中々書けず申し訳なく思っております。今どのようなスタイルにしていこうかと試行錯誤しております。^^;汗
by ソニックマイヅル (2011-09-09 16:03)
novenoさん、初めまして。
ご訪問&niceありがとうございます。
私もカナダ大好きです。
学生の時(大昔ですが・・・)大学2年の夏(トロント、バンフ)と4年の冬(トロント、バンフ、バンクーバー)にホームステイをしました。
・・・とても懐かしいです。
by hidechan (2011-09-12 10:03)
ソニックマイヅルさん、おはようございます。
>非常にタイトな生活をしてしまっております。
>なのでコメントも中々書けず申し訳なく思っております。
>今どのようなスタイルにしていこうかと試行錯誤しております。
ご出張、研修、地元の振興活動・・・ そして本業・・・ と、本当にいつもお忙しそうで、タフだなぁ・・・ と記事を読ませていただく度に思っております。
特に、お店のお仕事と振興活動が一緒になるときは、撮影したり編集したり、また打ち合わせのセッティングをしたり・・・で、私ではこれだけの業務をこなすことはきっと無理です!!
私の中でも、ずっと続けてきたこのブログの位置付けが少しずつ変化してきているような気がしています。
「単なる日記」「備忘録」で始めたものが、今では、コミュニケーションのための大切なツールになってきています。
特にサラリーマンを辞め、自営を始めてからは、外界との接点が思っている以上に減ってしまって、それを補う重要な役割を持つようにもなりました。
使い方は人それぞれ・・・
なので、余計に、自分の中での「位置付け」「運用方法」はある程度決めておかないと、逆にブログが負担になってしまうこともあるかも知れません。
私も再確認です(汗)
・・・でも、結局は、こんな事があった、こんな事どう思いますか の様な記事しか書けません・・・
私の中では・・・ これで十分です・・・
ソニックマイヅルさんの記事ではいつも勉強させていただいています。
負担にならない程度に、これからも続けていただきたい と思っている一人です。
by hidechan (2011-09-12 10:18)