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【訃報】 [日記・雑感]

ここしばらく、病院のお手伝いのお仕事をさせていただいていることをお伝えしてきています。

先週、先々週と、ちょっと一段落・小休止 という感じで、病院には伺っていませんでした。
で、5日の木曜日、病院の夏休みの日程と、ドクターのご予定を聞きたくて、夕方ドクターに連絡をしました。

実は、このお手伝いを始めてすぐの頃に、ドクターから、院長先生(ドクターのお父様)のお体の具合が悪い  この夏は越せないかもしれない というお話を伺っていました。

私は、ドクターに患者として診ていただいたのは平成10年からです。
それをさかのぼること約7年ほど前から大学でお仕事のお手伝いをさせていただいてきたので、結構長いお付き合いになるのですが、ドクターのプライベートのお話を伺ったことはほとんどありませんでした。

他のドクター、私を信頼していただいたドクターは、携帯やメールアドレスを伺って、メールでのご連絡を取ることが圧倒的に多いのですが、このドクターとは、大学でも、今の病院でも、携帯、メールアドレスは一切伺ったことがありません。
お仕事が終わった後、ドクターご夫妻とお食事をさせていただいたことも何度もあるのですが、それでも連絡方法はひとつだけ・・・ 「大学」か「病院」・・・

他科のように緊急性があるようなお仕事はほとんど無いので、まあこれはこれで良いのかもしれませんが、でも何度も、「・・・やっぱりまだ私を信頼してくれていないのかなぁ・・・」って思ったこともありました。
ただ、精神神経科という診療科は他科とはかなり違う・・・
どう違うのか って、うまく書けないのですが、診療はカウンセリングが主になるので、ドクター側も、キチッと「お仕事」と「プライベート」を切り分けることをしないと、きっと疲弊してしまうんだろうなぁ・・・ と勝手な解釈をしていました。

ドクターの奥様も、大学当時も今も精神神経科で、現病院でも外来をされています。

(また、前振りが長くなりました・・・)

 

 

 

5日の木曜日夕方、ドクターにご連絡を入れさせていただいたとき、一通りのお仕事のお話しが終わった後に、ドクターが、

「・・・実は父親が28日に亡くなりました。 今週初めに告別式も終わったから、またお仕事に集中できるから、hidechanさん、くれぐれもよろしく頼むね・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(営業としての基本を忘れてしまっているのに気づかされ、久しぶりに頭をぶん殴られたような気分でした)

常駐担当営業ではないにしろ、もう少し頻繁にご連絡を取っておくべきだった・・・

で、昨日(6日 金曜日)午後、診察が終わる頃を見計らって病院に行きました。

14時頃には大体終わるかな・・・ と。
予想通り、待合いにいる患者さんは、診察を終え、会計も終わって、薬待ちの患者さんがほとんどでした。
医事課の方も外来婦長さんも、「・・・あれっ? hidechanさん、今日は予定聞いていなかったけど・・・」って、目でご挨拶をしつつも皆そう感じているご様子・・・

外来婦長さん 「hidechanさん、お疲れ様。 あれっ? 今日は先生とお約束あったっけ?」
私 「いえ、来ることもご連絡していません。 診察が終わった頃に、ちょっとドクターにお時間をいただきたくて・・・」
外来婦長さん 「あらそう・・・ どうしたの?」
私 「・・・実は昨日、お仕事の件でドクターとご連絡したときに、院長先生がご逝去されたことを伺ったので、飛んできました」
外来婦長さん 「・・・(急に涙顔になってしまった・・・) ありがとうございます。 先生にすぐお伝えするね・・・」

すぐにドクターが、診察室から出てこられて、「hidechanさん、来て来て・・・」って呼んでくれたのですが、まだ診察を待っている患者さんがいらっしゃたので、「先生、患者さんお待ちだから、診察を先に」

待つこと1時間・・・ このドクターは、本当に丁寧にカウンセリングをしてくれます。
だから待ち時間もとても長いけど、患者さんは皆安心して帰ります。

待合いの患者さんも皆帰られて、院内はスタッフだけになりました。

診察室に入りました。
「・・・先生、この度は・・・」
「・・・あれっ? 今日は仕事のことじゃなかったの・・・?」
「・・・違います。 今日は、お仕事の話しはしません。 昨日、院長先生がご逝去されたことお聞きしたので、遅ればせながら飛んできました。」

「・・・そうだったのか・・・ 本当にありがとう」
「・・・私がこんな事いうのもなんですが、先生、だいぶお疲れではないですか・・・」
「・・・もう大丈夫。 院内のスタッフにもhidechanにもほとんど話していなかったんだけど、実は闘病が2年ほど続いていたんだ・・・ その間が正直きつかった・・・ 診察が終わって、病棟も一通り見終わった後、ほとんど毎日、入院先の病院に通っていたんだよ・・・ だから、告別式が終わって、ホッとした というのが本音。」
(入院先の病院がまた遠い。 都内の某大学病院だけど、高速飛ばしても多分1時間では着かない)

(自分もそうだった・・・ お袋の時、親父と交代交代で毎晩病室に泊まる生活が1年強・・・ 告別式の時はとても悲しく辛かったが、ホッとした という気持ちも確かにあった・・・)


「・・・hicechanさんに連絡して、来てもらおうと思っていたところだったんだよ。 hidechanさんと話しがしたかった・・・ 家族、病院スタッフ以外で、こうして あれやってこれやって、これはどうしたらいい、それだめだよ って、気軽に話ができるの、hidechanさんしかいないから・・・」
「ほんとうにhidechanさんはジャストタイミング。 テレパシーを感じる」

(なぜだかわからないけど、自分の時とオーバーラップしたからか、ドクターがこんなふうに私のことを考えてくれている ということを初めて知ったからか、涙があふれてしまいました)

2時間くらいかなぁ・・・ 色々なことをお話ししました。
ドクターのプライベートのことも、少しだけ初めて伺いました。

「今日は本当にありがとう。 なんだか、hidechanさんとは、すごく深くつながっているような気がする。 それはきっと、大学で無理言って組んでもらったあのシステムがきっかけ。 それをここに運んでもらったのもそう。 それと、寒川神社 かな(笑)  これかもよろしく頼むね」
「先生、とりあえずお元気そうで安心しました。 こちらこそ、これからもよろしくお願いします。 できる限りお手伝いさせていただきます。」

診察室でたら、外来婦長さんとばったり。

「先生と色々お話しできたみたいね。」
「はい。 先生、お元気そうで安心しました。」
「もう大丈夫だと思いますよ。 きっと、告別式までに泣き尽くすくらいご夫婦で涙流してきたと思うから。」
「・・・・・・・・」
「本当に、すてきな院長先生でした。 hidechanさんも、お会いになったことあるわよねぇ」
「それが、実は一度もお会いしたこと無かったんです。」
「それは残念。 ぜひhidechanさんにも会っていただきたかった・・・ 先生(ドクター)もとても優しいけど、もっと大きくて包み込むような優しさ 患者さんにも私たちスタッフにもとても優しかった・・・」
(・・・また涙顔になってしまった・・・)

婦長さんと立ち話をしているときに、いつもお手伝いしていただいている技師さんも加わって、誰もいない待合いで、私もまた涙があふれてきました・・・

ドクターも、これからが大変だと思うのです。
今まで院長先生に診ていただいていた患者さんも引き継いで診察しなければならないし、特にこの病気は、主治医とあうあわない が大きいし・・・

病院全体のことも目配りしないとならないし。

私の命を二度 救ってくれたドクター
今度こそ、本当のご恩返しの時が来たな と、帰りの渋滞の中、運転しながらずっと思っていました。

 


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コメント 11

大将

まずはドクターのお父様のご冥福をお祈りいたします

仕事でもプライベートでも一線を引くと言うのは
大将も大賛成です
だからあだ名とか愛称で呼び合う仕事場の人とは
あまりお仕事をしたくありません
でも、不幸となれば別な話
多少でもご縁のある方、あるいはその方の大切な方が
目を落とされるとなると仕事で付き合いだからなぁではなく
やはり何をおいてもまず駆けつけご挨拶すべきですよねぇ
だから今回のhidechanさんの行動は本当にすばらしいですね
大将は人が目を落とすのはいなくなるのではなく
新しい人生の節目だと思っています
だからドクターのお父様も人の目には見えずとも
新しい人生のお旅立ちをされたのだと思います
その場にご挨拶を出来たのはとても幸せな事でしょうね
袖触れ合うも他生の縁です
by 大将 (2010-08-07 15:50) 

のろ

ご冥福をお祈りします。
私は、なかなかこう言う時に気が回らなくて・・・。
hidechanさんが、何はともあれ、顔を合わせに走ったというのは、ご立派だと思いました。
by のろ (2010-08-07 22:07) 

ソニックマイヅル

第一線の先生から頼りにされているとは、素晴らしいです。
次元が違うんでしょうね!^^;汗
by ソニックマイヅル (2010-08-07 22:13) 

hidechan

大将さん、こんばんは。

もうちょっと、普段から特に用が無くともご連絡をとっておけばよかったなぁ・・・と後悔しています。
用がないときにご連絡をして、お忙しい時間を止めてしまうのは失礼だ という事しか頭にありませんでした。

院長先生、残念ながら私は一度もお会いしたことがなかったのですが、本当に患者さんからも院内スタッフからも絶大な信頼を受けていたそうです。

だから、こんな田舎のへんぴなところの(かなり失礼!)、「精神科病院」なのに、異常なほど患者さんが多かった というのも、ようやく理解できるようになりました。

今回、告別式も終わって院内も落ち着きを取り戻したような時に、初めて訃報を知り、慌ててドクターにお悔やみのご挨拶をさせていただいたのですが、ドクターも、お会いしてお話しをしている限りでは、普段と全く変わりませんでした。
しかも、初めて伺ったとおり、外来を終え、病棟も一通り回った後に、ほとんど毎日 都内の大学病院まで通われていた・・・

私は、そんなとてもしんどくて辛い日々を送られている・・・とは、恥ずかしながらひとつも感じなかった・・・
これが「プロ」なんですね・・・
患者さんにもスタッフにも、もちろん私にも、そんな辛い日々を送っていること ちっともわからなかった・・・ プロって、こうなんだな って、実感しました。
すごいドクターです。 

記事にも書かせていただいたのですが、私の命を二度にわたって 救ってくれた命の恩人です。
ここからが、今度は私が ドクターに御恩返しができる しなければならない と強く感じています。
どこまでできるか 全く未知数ですが、でも、できる限り五感を駆使してサポートさせていただく覚悟です・・・
by hidechan (2010-08-08 00:36) 

hidechan

のろさん、こんばんは。
ドクターとのお付き合い というか、患者として診ていただいた期間ももうだいぶ長くなりますし、それ以前のお仕事の期間も結構な期間なので、私にとっては、親や家族、悪友と同じくらい 大切な「人」なんです。

私もそれほど気が回る方ではありません。
もちろん、医療業界でずっと営業をしてきたので、そうでない営業の人に比べれば、多少はこのようなことには敏感なのかなぁ・・・って、少しだけ思います。

でも、命を救ってくれた恩人 幸いにしてお仕事も続けさせていただいている・・・ のだから、こんな時には自然に行動に出ます。

自分に課せられた使命 
後はどこまでこの病院・院長をサポートできるか・・・
ここだけですね。
by hidechan (2010-08-08 00:46) 

hidechan

ソニックマイヅルさん、こんばんは。

>次元が違うんでしょうね!^^;汗
そんなこと、全くありません!

きっと、誰でも お世話になった方 それが親族でなくとも、こんな時には、気持ちよりも先に身体が動くものだと思います。

幸いにして、ドクターからは なんとか信頼されている のかなぁ・・・

私が、「文句も含め、とにかく言いやすい」から、重宝なんでしょう・・・

でも、私はそれで十分です・・・
重宝がられて、相談されて、そんなお付き合いを長きにわたってさせていただいていること、それだけで十分です。


by hidechan (2010-08-08 00:52) 

mistta

今晩は。ドクターのhidechanさんへの親愛ぶりが伝わってきました。
これからも素晴らしい関係が続きますように。
by mistta (2010-08-08 21:52) 

hidechan

misttaさん、こんばんは。
ありがとうございます。
このドクターとは、記事でも書かせていただいたとおり、かなり長いお付き合いをさせていただいています。
このドクターから学んだことはとても多いのです。
時には難問を突きつけられて、どうしようもないようなときも数知れず・・・
でも、そんな私でも、これまでずっとお手伝いをさせていただいて来られたのは、ドクターの懐の大きさ故 なんだなぁ・・・と、今回再認識しました。

今までずっとお世話になってきました。
だから今度こそ、お礼をするときが来たな・・・と、身が引き締まる思いです。
by hidechan (2010-08-08 22:18) 

hidechan

Kojiさん、ご訪問&niceありがとうございます。
神戸医療センター、私も在阪時、お仕事で度々伺わせていただきました。
阪神淡路大震災時も、東京本社(医療機器メーカーに在籍しておりました)から第二陣として現地入りし、ボランティア活動のお手伝い(医療機関支援)をさせていただきました。
当時は、国循を担当させていただいておりました。

今後とも、よろしくお願いいたします。
by hidechan (2010-08-10 21:48) 

hidechan

Azumino_Kakuさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2010-08-10 21:49) 

大将

hidechanさんがまだ一度もお会いしていなかった院長先生に
今回の事で色々と教えていただいたんですね
すでに姿は見えずともそうして人のためになる方
すばらしい方だと思います
by 大将 (2010-08-10 22:58) 

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